鼻づまり/どろっとした鼻水
副鼻腔炎/蓄膿症
副鼻腔の特徴と役割
顔の骨には、鼻を取り巻くように4つの空洞があります。前頭洞・蝶形骨洞・篩骨洞・上顎洞が左右一対あり、この空洞一帯を「副鼻腔」といいます。副鼻腔は小さな通路で鼻腔(鼻の内部)とつながっており、鼻から吸った空気の加湿・加温作用や音声の共鳴作用に関わっています。また頭の重さを軽くするはたらきをしているという説もあります。
急性副鼻腔炎とは
風邪などに引き続き起こる細菌感染が原因で、病原菌が鼻や副鼻腔の粘膜に増殖して炎症を起こした状態です。膿が副鼻腔内にたまります。発症から4週間以内のものを、急性副鼻腔炎と診断します。
とくに元々アレルギー性鼻炎をお持ちの方は、風邪の後に急性副鼻腔炎の発症がみられることもあります。
また鼻中隔湾曲症など鼻の形態の異常がある方も急性副鼻腔炎になりやすく、繰り返しやすい場合もあります。
急性副鼻腔炎の症状
- 鼻づまり
- 鼻づまりによる口呼吸、いびき
- どろっとした鼻汁(黄色または緑色)
- 鼻汁がのどに落ちる
- 鼻汁がのどに落ちる事による咳や痰
- 鼻の中に悪臭を感じる
- 発熱症状
- 匂いの分別がつきにくい
- 夜間の睡眠障害
- 夜間の睡眠障害による日中の眠気、集中力の低下
- ほおの圧迫感、違和感
- 頭痛や顔面痛、頭重感
以上のような症状がみられます。
こどもの副鼻腔炎の特徴
こどもの慢性副鼻腔炎は、成長・発育期に起こってくるので、大人の副鼻腔炎の場合とは多少病態が異なります。
詳しくは下記のページをご覧ください。
副鼻腔炎の検査・治療
検査
- 鼻鏡検査/ライトを当てて鼻の中の様子を肉眼で観察します。
- 鼻のレントゲン検査/鼻・副鼻腔の写真を撮って、副鼻腔内に炎症や膿がたまっていないかを確認します。
- 鼻の内視鏡/鼻から内視鏡(細いカメラ)を入れて、鼻の奥をカメラで拡大して確認します。
治療
まずは、鼻の奥に溜まっている鼻汁を吸って、鼻の通りをよくします。
ネブライザーによる治療
ネブライザーとは、霧状の薬を吸入する専用器械です。副鼻腔の腫れている粘膜に直接霧状の薬がかかるように吸入することで、効率よく薬を作用させることができます。つまった鼻の通りを良くし、鼻汁を出しやすくしたり、鼻腔粘膜の腫れなどを鎮めたりする効果が期待できます。
マクロライド系の抗生剤を処方
副鼻腔炎治療ガイドラインで定められた、最も多く行われている標準的治療です。少量ずつ、長期間、内服します。長期間の服用でも安全な治療方法です。
お薬を飲んで症状が軽減している場合でも治療効果の確認が必要ですので再受診してください。
症状が残っている場合は、継続して内服治療が必要になりますので、お薬が無くなったらもう一度受診してください。
アレルギーをお持ちの方へ
副鼻腔炎の治療と合わせて、アレルギーの治療を一緒に行います。
症状が強い場合
薬の処方の追加や変更、ネブライザー治療を行いますので薬の途中でも受診してください。症状が慢性化すると治療も長期にわたってしまったり、手術治療が必要となる場合もあります。早期に完治するまで確実に治療していきましょう。
アレルギー/花粉症の症状
アレルギー性鼻炎
症状とその特徴
アレルギー性鼻炎はアレルギー反応によって起こる病気です。自然寛解(病気が自然に治ること)が少ないことが特徴です。くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状があらわれます。
アレルギー性鼻炎になる人の低年齢化が進み、この20年で10歳代は 2.5倍、10歳以下だと20年で4倍にも増加しています。これは同じ様なアレルギー反応が原因で起こる気管支喘息やアトピー性皮膚炎と比べて、増加の仕方が非常に多くなっています。
アレルギー性鼻炎に関する情報は、下記のページをご覧ください。
鼻出血
あわてずに、適切な対応を
鼻出血(鼻血)は、何度も繰り返し出血することが多い病気です。出血は多くの場合、鼻中隔から起こり、鼻いじり等が原因になることがあります。
鼻をしっかり押さえれば、5~10分程度で止まりますので慌てずに行いましょう。誤った止血方法を行うと、のどに血液が垂れ込んでしまって具合が悪くなりますので注意が必要です。
アレルギー性鼻炎に関する情報は、下記のページをご覧ください。
いびき/日中の強い眠気
睡眠不足による症状
いびき外来へのご相談でもっとも多い自覚症状は「日中の眠気」です。眠気によって、日常生活に支障をきたしてしまう方は少なくありません。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に気道が塞がってしまい、呼吸(口や鼻の空気の流れ)が10秒以上停止する状態のことを「睡眠時無呼吸」といいます。その睡眠障害によって日中に支障をきたすと、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。ほとんどの方が、いびきを伴います。
「いびきを家族に指摘された」「日中、強い眠気に襲われる」という方は、耳鼻科の受診をお勧めいたします。